文責:南 昌宏のレース展望・2006年9月号
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経済産業大臣旗 全日本実業団対抗サイクルロードレース 開催迫る
 実車連創立直後に第1回大会がスタート、40回目を迎える。記念大会として本年は、福島県石川町の
公道周回13.6 Kmのコースで開催する。

 このコースは実車連年度カレンダー・レースのJ・ツアー第5戦として7月に開催した場所である。
UCIの公認周回距離規定をクリヤーしている変化に富んだコースは過去5回開催の実績あり記念大会
の場所として選手の実力が発揮できるレース展開されよう。

 実車連での福島県開催公道レースの歴史は、1984年(ロスアンジェルス五輪開催年)に遡る。
この年、第1回棚倉・塙・矢祭大会がアジア地区5ヶ国を招待して行われ、その後競技者の実力養成に
寄与している。残念ながら17年間続けられたが、コースの最後の区間が幹線道路に改修されたため
中止の止むなきにいたり幕を閉じている(2000年)。

 2年後、後継大会の位置つけで近接の石川町の特別の支援で開催できるようになり本年5回目が
終了し実車連が誇る公道レースの中核をなしている。

 本年の大会は、国内競技会でははじめて台数の制限はあるがチームカー随行の本格的ヨーロッパ
スタイルのワンデイレースの運営で行う。他連盟に先駆けてのトライは国内ロードレースの活性化に
一歩前進したものと評価を願いたい。

 国内全国大会は数多く行われているが、ロードレースにおける競技者の実力向上を目指している
実車連はその頂点の大会としてのステータスを狙っている。

8月中旬、すでにエントリー締め切りでスタートリストが決まった。BR−1出走者は126名ですでに選
手名など一覧発表済み。一部、海外遠征中でトップクラスの選手の名がないが、7月の石川大会のメ
ンバーとほぼ同じである。

 実業団レースで最も伝統のある最高峰の大会に名を残せる個人および、団体優勝は誰か、例年以上
に熱い戦いが繰り広げられるであろう。
レ ー ス 展 望
(団   体)
大臣旗、愛三工業の二連覇なるか
王座奪回を目指すNIPPO,ミヤタ、と三つ巴
実績のシマノ、若手の実力が注目のブリヂストンがダークホース
 団体狙いか、ワンデイレースの個人優先かでレース展開中の監督の采配が見所の1つである。
愛三工業レーシング(横井監督)、Team Nippo(大門監督)、ミヤタスバル(栗村監督)、シマノ
レーシング(板東監督)、ブリヂストンアンカー(藤野監督)がどのような作戦で挑むか興味深いレー
スとなろう。

 国内国際ワンデイレースのジャパンカップや、ツール・ド・沖縄の常時出場のこれらのチームが
国内初のチームカー随行での展開を常にラジオ・ツールで聞き取れることは画期的なことで 作戦が
大きく勝敗に左右されることであろう。
<団体戦:注目ポイント!>
1: 愛三工業はヨーロッパ遠征で実力向上の昨年実車連ランキングトップの別府 匠選手が戻って
きた。 トラック長距離の日本代表で海外で活躍した西谷泰治、盛一大選手もエントリーでシーズンイン
当初よ り不調の広瀬敏を欠いているが7名がエントリーで2連覇充分の布陣で参戦する。
2:Team Nippoは、ヨーロッパ遠征で実車連レース参加が少なくランキングでは上位に追いつか
ないが、今回 7月の石川大会の優勝者、岡崎一也と真鍋和幸(実車連選手権連続19年目の出走
の最古参選手。2回チャンピオンに輝いている)、さらに東日本ロードではエントリーしていたがDNS
で初出場になるW.マリウス(イタリアで活躍しているPOLの選手、昨年のツール・ド・北海道で区間
優勝1回、2位2回でポイント賞)が加わり、12年目の優勝に向けて強力なトリオの登場である。
久しぶりに大門監督の軍配が見ものである。
3: ミヤタスバルは、J・ツアーリーダーの鈴木真理選手を中心に上位チームでは最多の9選手
がエントリー。前レースの「南紀クリテリウム」の優勝者、三船雅彦が海外遠征のため不在である
がベテラン柿沼章、若手の中村誠選手と長距離を得意としている選手が健在、8年間大臣旗から
遠ざかっているが今回、個人 を狙うか団体を狙うか栗村監督の采配次第。
4:シマノレーシングは主力の狩野、野寺、土井選手のヨーロッパ勢の帰国が遅れるため参加が
ないが、本年J・ツアー8戦中3戦を勝っている山本雅道(2回・東実業/丸岡)、阿部良之(小川ロード)
と強力な アシストでチームから優勝者に貢献している、広瀬佳正、大内薫のJ・ツアー常連メンバーで
監督の指示で実力を発揮できれば王座奪還も射程内と思われる。
5: 注目はブリヂストン・アンカーである。国内実力ベスト5には入る田代恭崇選手が成長著しいUー23
の選手6名の動きを好リードで、飯島誠選手欠場の穴を充分にカバーし大臣旗に届くか大きな見所。
180Kmの長丁場、3人の着順合計で争われる団体戦(大臣旗争奪)はどのようなサプライズが待ち受
けているであろうか楽しみである。
(個   人)
田代 恭崇(BS)、別府 匠(愛三)、鈴木 真理(ミヤタ)、
岡崎 一也(Nippo)、阿部 良之(シマノ)
上位チーム、エースの力勝負
調子最高の山本 雅道(シマノ)とベテラン地元、橋川 健(マトリックス)の一発に注目!
田代 恭崇
(チームBSアンカー)
別府 匠
(愛三工業レーシング)
鈴木 真理
(ミヤタスバル)
岡崎 和也
(Team NIPPO)
阿部 良之
(シマノレーシング)
山本 雅道
(シマノレーシング)
橋川 健
(マトリックスパワータグ)
 優勝タイムは4時間50分〜55分を想定している、広島の森林公園周回距離と同程度の難易度の
コースである。石川大会は100Km一寸であるがこの3年間の完走率20%強(交通規制の関係も
あるが) 国内ワンデイレースでは沖縄を除いて最長距離に設定した記念大会の優勝戦線に残れる
選手は、持久力、スピードを兼ね備えた者でなければゴールできない熾烈なコースである。
 J・ツアー9戦目でレースランクAの最高のポイントが設定されているため、これまでの8戦で獲得得点
が低い選手も残り3戦の参加上位入賞でチャンピオン争いに加われるため激しいバトルの展開となろう。
前レース8戦の「南紀クリテ」を3位でまとめJ・ツアーのジャージを守ってた鈴木真理選手は挑戦のNo1
岡崎選手に150ポイントリード、3位以下の選手に200ポイント以上のアヘッドで、完走すれば、岡崎選
手が3位以上でなければ逆転はなく現状2,3歩りードのJ・ツアー状況である。

 勿論、入賞の着順であれば(10位でも100Pあり)残り3戦のコースレイアウト・ポイントランクよりチャン
ピオンに王手をかけられ団体優勝も視野にいれられるのてその走りが最大の見所であろう。
阿部・山本のシマノ2選手もJ・ツアーランキング上位で高得点のこのレースの優勝を狙ってくるであろう
が、距離、アップダウンをこなせるか課題であろう。阿部選手は小川ロードの再現なるか注目。

 別府、田代選手が注目される、参加選手中最もヨーロッパでのレース経験が豊富な上に山岳コースを
得意としているだけに優勝候補の一角である。特に別府選手は昨年の富士山登山レースで2位の実績
がありこのレースでポイントを大きく獲得できれば残り3戦で大きく浮上できる。
田代選手は復活実車連レース緒戦は惜敗しリベンジに燃えており、全日本選手権2度の優勝の実績か
ら実業団選手権初チャンピオンが期待される。

 ミスター実業団三浦恭資選手が実車連レースを休んでいるの代わって、現在J・ツアーランキング5位と
頑張っている橋川健選手は、住居を石川町の隣の市に移し準地元。勝手知ったるこのコース昨年より
調子を戻しており、若い次代を担う選手の目標の走りで旋風を起こせるか。

 今大会のBR−1には、U−26(25才まで)の選手が43名、U−23は、20名がエントリーしており、
エントリー(121名)中35%を占めており今後の自転車ロードレース発展のため喜ばしい。
特にブリヂストン、ミヤタのこの年代の選手の育成に努力している会社・監督には実業団レースの目的
を理解してくれており敬意を表する次第。

 若手からの優勝者が出るか、ベテランがまだまだ出番でないと突き放すか誠に興味のある第40回大
会となった。


資料・過去10年間の記録
*太字:今回参加の選手
開催年度と個人成績 開催場所 団体成績
2005  狩野 智也(シマノ) 青木湖 (長野県) 愛三工業(別府匠、田中光輝、新保光起
2004  野寺 秀徳(シマノ) 播磨高原(兵庫県) シマノ  (野寺秀徳、狩野智也、今西尚志)
2003  坂口 博 (愛三工業) 美山町  (京都府) シマノ  (阿部良之、山本雅道、今西尚志)
2002  飯島 誠(ラバネロ) 小川村(長野県) シマノ  (狩野智也、阿部良之、今西尚志)
2001  G・ミユノス(リジダビアンキ) 石川県森林公園 ブリヂストアンカー(田代恭崇、橋川健、岡田哲也)
2000  野寺 秀徳(シマノ) 静岡県日本CSC シマノ  (野寺秀徳、鈴木真理、今西尚志)
1999  新保 光起(ラバネロ) 静岡県日本CSC シマノ  (阿部良之、今西尚志、野寺秀徳)
1998  飯島 誠(ラバネロ) 福井県丸岡町 チェブロアートネイチャー(鉄沢孝一、高橋栄光、班目真紀夫)
1997  真鍋 和幸(ミヤタ) 静岡県日本CSC ミヤタスバル(真鍋和幸、安藤康洋、館正成)
1996  A・グイドテイ(日本鋪道) 福島県泉崎村 シマノ  (今西尚志、江原政光、住田修)


記 実業団専務理事 南
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