2004年 第73回全日本アマチュア自転車競技選手権大会ロードレース
U−23戦記
5月1日、日本サイクルスポーツセンター8Kmコーススタートラインに並んだ選手は、56名である。
 J・C・Fランキング上位150名より選出された選手、及びジュニアからカテゴリー変更対象選手の実績のある数名と都道府県より
推薦の1部の選手であった。
 エントリー選手の顔ぶれは圧倒的に大学生が多く、この年代社会人で実業団登録の選手は少なく次代を背負う国内エリート男子
選手層の構成に考えさせられる。ロードレースの底辺拡大(世界で戦える選手)をJ・C・F、実業団で考え直さねばならない時期に
きているのではなかろうか。
 歴史と伝統のある本大会の「冠」でのロードレースはアンダ−23カテゴリ−のみでこの大会の継続のためにも選手層の拡大が今
こそ取り組むべきロードレース発展の課題であろう。
 国内でのU−23選手権大会は、ロ−ドレースがプロ・アマオ−プンになった1996年に第1回大会が、第65回大会で開催されて
いる。本コースで行なわれるのは7年ぶりである(第2回大会”97年もJCSC開催) 第1,2大会は5Kmコースの100Kmでのレー
スであったが、本年は8Kmでの開催で、出走する選手の殆んどは経験していない。距離の112Km,14周回と選手権レ−スにふ
さわしく「学連」登録のインターカレッジ等で入賞した選手に実業団でBR−1クラスと対戦している数少ない1部の選手がどのように
戦うかが注目されていた。過去の成績は大学生選手5勝、社会人選手3勝である。
 この大会連覇のかかっていた ブリヂストン・アンカ−所属の別府 史之(このクラスで世界選手権でも活躍した選手)と昨年、イン
カレ、学生選手権制覇の土井雪広(シマノレーシング)がオリンピック代表候補選考会であるエリ−トでの出走するため混戦の様相
を呈したメンバ−となった。
 
品川真寛(ミヤタ)盛一大(日本大学)を差し切る
実業団登録社会人選手が4年振り優勝
 
 昨年3位と健闘し本大会優勝を狙っていた室井啓介(法政大学)は最後に力尽き4位、”02のジュニアチャンピオン池田丈志(鹿屋
体育大学)は後半の追い上げ届かず3位であった。
 実業団チームランキング3位に位置する名門ミヤタスバルレ−シングの若手NO1選手として将来期待されている品川がミヤタとし
ては4年前に山本雅道(現・シマノ)で優勝して以来2勝目をゲット、前日のエリートクラスの真鍋和幸の走りに刺激され快走、念願の
選手権者に輝いた1戦であった。3週間前の日本開催の24回アジア選手権マデイソンで活躍、後半の追い込みで銀メダルを獲得した
盛一大はスプリントでは勝っていたが惜しくも同タイムで品川の前に涙を飲んだ。2人とも最後のU−23大会、来年のエリートの大会
での活躍を期待したい。
 
前半のレース経過
 1周回目から荒木就平(鹿屋体育大) 細川倫央(京都大学) 小林彰夫(中央大)が飛び出した。32、33Kmの早いタイムで集団を
3周目には2分近く離す。このため小林は集団に戻され2名の先行が6周目まで続く。
 7周目にレースが動き集団より 大沼雅貴(鹿屋体育大)佐々木正美(日本大)辻龍一(京都産業)長沼隆行(明治大)村上純平
(鹿屋体育大)大野涼平(中央大)佐野淳哉(セレーノ)等が先頭2名を吸収、3Kmコース頂上を11名が集団を先行していた。
 
後半の展開
 8周目の頂上ではメイン集団も20秒ほどに迫り下りで先行グル−プとの入れ替わりがあり、9周回も激しい先行争いが続いた。
この周回頂上から10周回目に入る展開は6名の先行であった。荒木就平(この直後で落車) 室井啓介、品川真寛、盛一大、
辻龍一、大野涼太、大沼雅貴の10周通過はラップタイム最低時速30Kmを下回っていた。このためメイン集団からも残り周回を見
て飛び出す選手が見られた。舟木誠(日本大)池田丈志(鹿屋体育)森山大和(セレーノ)とばらばらに先行集団に向って追い上げ
ていた。、ここで飛び出しのタイミングを見ていた品川と盛がペースが落ちたのを見てアタックにでた。勿論、他の選手も追走を狙っ
たが一気に離され、11回通過のメインスタンド前では 品川、盛の2名が先頭、30秒遅れて室井、大野、辻と続いていた。
追い上げていた舟木、池田も大沼等を抜いて通過していった。
 残り3周回の頂上では品川、盛は後続に40秒のアヘッド、セフテイリードの見えたが、舟木、池田の追い込みスピードよく
最終回に入る時点では25秒差にまで詰めていた。秀峰亭まえで大きく左に曲がり3Kmの登りで追いつくか、先行2名がゴールを
意識してペ−スダウンすればゴールは全く分からなくなる。しかし25秒の先行で2名が山頂をクリヤ−3番手通過は室井、大野、
舟木を次々と交わした池田であった。続いて室井、舟木が続いた。
先頭2名の仕掛けはいずれも相手を意識して見られない。最後の坂を登り100mのスプリントになった。池田惜しくも届かず。
実績のある選手が上位を占めた本年のU−23内容のあるレースで次代へのの期待が高まった1戦であった。    (文責 南)